雑記ふたたび

nyanの日記ブログ。主に最近描いた絵や自作小説の話など。

電子書籍:東京の青い空

最近ebook japanで読んだ漫画。
ebookjapan.yahoo.co.jp
横山光輝先生が少女漫画を描いていた時代の作品です。この作品に興味を持ってネットで調べてみたら、ebook japanにあったので全3巻一気に買って読みました。
横山光輝official web様のデータによりますと、1958〜1959年に書かれた作品という事です。昭和33年。最初のゴジラの上映が1954年だからその4年後ですね。

ざっとこの年に起こった事をWikipediaで調べたら……
4月1日「宝塚大劇場花組公演に代役出演中の月組香月弘美が、着ていたドレスがセリの機械に巻き込まれ即死」と。ああ、この年だったんだ。(公演中に起こった死亡事故です。過去に色々とネットで情報拾って調べた事があります。)他、目についたのは、多摩動物公園が5月5日に開園した辺りですか。
作品の中には戦争に言及した部分があったり、靴磨きをしている子供が登場したり。そう言えば「遊星王子」が1958年放送ですね。遊星王子ことワクさんも靴磨きを仕事にしていましたっけ。

まあ、そんな時代。


漫画のヒロインはタイ国から来た少女・さつき。(最初辺りのシーンでお金持ちのお嬢様だと分かる)兄の友人が東京でバレエ研究所をやっており、そこでバレエを習うために単身来日したのでした。同じ研究所の生徒・幸子の家が下宿屋だと知り、さつきはそこに住むことに決めます。幸子の家に着くなり病気で臥せっていた幸子の母を病院に入院させ、荒れていた家の中を改装してしまうさつき。資金は全部自分が出すと言います。

「いやいや、だからって勝手に人の家を改装したらダメだろ?」って感じなんですが、そこは大らかな昭和の漫画。

バレエでのライバル美智子、さつきを付け回す謎の男たち、大昔にさつきたちを捨てて家を出て行ってしまった母親、腕っぷしの強い正義感に溢れる青年など、色々な人物が登場して物語が進みます。あらすじを見た時は「小公女っぽい雰囲気なのかな?」と思ったんですが、なかなか波乱万丈なドラマです。
母子愛、バレエ、明るくけなげなヒロインと、悪人と強く優しい正義の青年。この時代に人気あったであろう要素がてんこ盛りです。これだけ色々入れてよくきっちりまとめ上げたなぁ、さすが横山先生だ!という印象でした。

機会があれば、横山先生の他の少女漫画も読んでみたいと思います。